大学職員に求められるもの その1 の続きです。
社会(企業や国)から
大学職員に求められるものがより具体的になり、
かつ大きくなってきている…ということを書きました。
今回は、もう少し踏み込んで具体的に
「何を」求められているのかという部分をいきたいと思います。
事務を「処理する」人から「遂行する」人へ
事務職=淡々とした仕事
大学職員を含む「事務職」のイメージってどうでしょうか。
日々決まった仕事を正確に、
淡々と、
テキパキこなす…
…みたいなイメージないですか?
(僕は全力でそう思ってました)
その通りです(キッパリ)。
大学職員をやっていると、正直クリエイティブなことはあまりしません。
毎年の仕事のサイクルも決まっていることですし。
入学式から卒業式までの基本的な流れって、そう変わるもんじゃないんですよね。
実際に大学事務組織の現状と将来(2010年6月 東京大学 大学経営・政策研究センター)によると、
Q.仕事内容で最も多くのウェイトを占めているものは?
というアンケートに対して、以下のような結果になっています。
「学生や教員への対応」が1位になるのは当然として、
「パターンが決まった職務の実施」が2位に入り、
「課題の分析・解決」(5.2%)「新規事業の企画開発」(3.7%)が
ここまで低いというのは、大学職員がいかに定型的な仕事をしているか
伺える結果といえます。
このように、大学職員って日常業務に意識を集中させがちなのです。
テキパキ仕事をこなすだけの時代は終わり。
18歳人口はどんどん減っていくなか、学生を確保するため魅力を強化する…
今よりもさらに学生の質を上げ、社会に輩出しなければならない…
大学は今そんな状況です。
つまり、大学は現状維持ではダメであり、
変革や成長を続けないと今後キツイのは目に見えている。
そんななかにあって、
大学職員はただテキパキ仕事をこなす人で良いのか。
…それではダメですね。
と、いうことを受けてなのか、省令の文言まで変わったのです。
大学設置基準(省令)の改正
大学設置基準という、大学を作るルールのようなものが
文部科学省から出ているのですが、
2017年4月に一部改正されました。
そのなかで、以下のような修正が入ったのです。
(旧)大学は、その事務を処理するため、専任の職員を置く適当な事務組織を設けるものとする。
(新)大学は、その事務を遂行するため、専任の職員を置く適当な事務組織を設けるものとする。
大学設置基準第41条より
…なんだこれだけかよ。
と、思うことなかれ。
これ、実は結構重めにとらえられていて、
「今までの型にはまった仕事を淡々とこなす事務職員(処理)から、
大学の変革を推し進める人材(遂行)へ変わりなさいというメッセージだ!」
…といった感じで、大学職員の研修でも話題にあがっているようです。
2017年4月に改正ということもあってタイムリーで、わかりやすい話題。
採用試験にうまく混ぜ込んでいくと、差をつけられるでしょう。
この記事のまとめ
<今まで求められていたもの>
決まった事項を効率的にさばき、手際よくこなすこと
<これから求められるもの>
現在の業務にとどまることなく、変化・改革の意識をもった業務遂行
実際の現場レベルでは、
まだまだパターンの決まった業務がウェイトの多くを占めているなぁ
というのが個人的な感想です。
しかし、これからを採用試験をくぐり抜けるには、
「これからの大学職員は改革の意識が求められている」
ということを念頭に置く必要があります。
「改革の意識」の中身については、次回。
つづく。